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ベタ・スプレンデンス
タイ、カンボジア、ベトナム、マレーシアに生息する闘魚の一種。
川が溢れた際にできるような水深15cm程度の水たまりや、田んぼに生息している。
赤茶色の体色と、ヒレに入るブルーのラインが特徴。
尾びれは短く終端が丸い。背ビレは尾びれ近くにあり三角形をしている。腹ビレが特にオスが長く伸びる。尻ビレは腹のあたりから尾びれ辺りまで生えている。
メスには尻ビレの全貌に白い産卵管がある。
ワイルドベタと呼ばれるスプレンデンスグループの代表種。現在流通している改良ベタの原種。現地でもワイルド個体は貴重で、日本ではほとんど流通しない。
闘争本能を利用して闘魚として戦わせたり、観賞魚として様々な改良品種を生み出したりと、多くのファンを持つ。
タイでは多くの愛好家・ブリーダーがおり、大きなコンテストが行われている。
様々な改良品種がいるが、大きく分けて以下の4つのグループに分けられる。
ワイルド・ベタといわれる原種に近いスプレンデンスグループ。
トラディショナル・ベタはワイルド・ベタの改良品種で各ヒレが長く、色のバリエーションが多くカラフル。
プラガット(ベタ・ブラカットとも)は原種に近いヒレを持ち、闘魚としての闘争本能の高いものを固定したタイプ。
ショー・ベタ?は明確な区分ではなく、ショーに出すベタと言う意味。クラウンテールやデルタムーン、ハーフムーンなど品種の確立されたものとされることが多い。
現在でも新たな改良品種は生み出されおり、明確な区分は難しい。
Photo
データ
学名 | Betta splendens(Regan,1910) | |
英名 | Betta, Beta、Siamese Fighting Fish、Chinese Fighting Fish、Japanese Fighting Fish | |
分類 | キノボリウオ亜目(アナバス亜目)、オスフロネムス科、ベタ属(トウギョ属) | |
通称 | ベタ・スプレンデンス | |
分布 | タイ、カンボジア、ベトナム、マレーシア | |
最大体長 | 6.5cm | |
寿命 | 2〜3年 | |
餌 | 人工飼料、冷凍飼料、活餌。なんでも慣れてよく食べる。綺麗な色揚げを狙うなら、冷凍赤虫やイトミミズ、ミジンコ、ブラインシュリンプを組み合わせてあげよう。 | |
適性な水質 | 温度 | 24〜30℃ |
PH | 6.0〜7.0 | |
硬度 | 非常な軟水〜軟水:4〜10 °d | |
飼育難易度 | やさしい | |
繁殖難易度 | 普通。方法さえ知っていれば簡単。 まず成熟したペアを顔見せして、お見合いをする。急に2匹を同じ水槽に入れると喧嘩を始めるため、オスかメスどちらかをビンやプラスチックケース(仕切りでも良い)などに隔離する。 産卵のトリガーとしてマジックリーフ?を投入してブラックウォーターを作る方法もある。オスが泡巣を作り、メスの腹部に婚姻線が現れれば準備完了。 水温調整にファンなどを使うと、オスの泡巣が壊れてしまうので注意。アマゾンフロッグピットなど浮き草があると泡巣を作りやすい。上手く行けば2〜3日で卵を産む。 オスがメスを包み込むようにして受精し、卵をばらまく。その後、メスが失神したように休んでる間にオスが卵を泡巣まで運び集める。その行為を何度か繰り返し、多いときは300個ほどの卵を産む。 相性が悪いと2〜3日経っても産卵せずに逆にオスがメスを攻撃することがある。その場合は隔離して、次のチャンスを待とう。 産卵後のメスは弱っている場合が多いので、すぐに隔離する。オスは卵が泡巣にくっついているか監視して、卵が落ちると泡巣にくっつけるという行為を孵化するまで繰り返す。孵化をしたらオスは隔離して稚魚だけで管理しよう。孵化して2〜3日でヨークサックを使い果たし、餌を食べるようになるのでインフゾリア?やブラインシュリンプをあげよう。孵化してすぐにブラインを食べられるが、数日はインフゾリアを与えるほうが生存率が上がる。1カ月ほどは細目な水換えと食べ残しを取り出す作業が必要になる。その後は成魚と同じように飼育する。 | |
オスメスの見分け方 | オス | 長い各ヒレが特徴。色もカラフル |
メス | ヒレはあまり伸びず色合いも地味 | |
水槽内で好む高さ | 上層 | |
混泳での注意点 | 過酷な環境での生存競争を勝ち抜くために相手を殺すまで戦う本能を持っている。その特性を活かして闘魚として改良されるほどの闘争力を持つ。オス同士は混泳不可で、メス同士は可能な場合もあるが、あまりおすすめできない。ベタの中にも大人しい種もいるが、いつ本能が目覚めるとも限らないので混泳は避けたほうが賢明だ。 | |
気をつけたい病気 | 白点病、水カビ病? | |
推奨されるアクセサリなど | 産卵用に浮き草 | |
避けたほうがよいもの | 止水域に生息していることと、長いヒレに改良されているので泳ぎが苦手で、水流を生むものを嫌う。オスの泡巣を消してしまうおそれがあるので、エアレーションやファンとの相性も悪い。 | |
60cm水槽での適正な飼育数*1 | 1匹 |
特徴・飼育上の注意
水質に関しては適応範囲も広く容易。
ラビリンス器官と呼ばれる呼吸器官で水面から呼吸可能で、フィルターのないビンで飼育できることも知られている。
しかしビンでの飼育は良い環境とは言えず、最低でも20cm程度のプラケースでもいいので用意してあげよう。
ヒレが長く伸びるショーベタなどは綺麗にフレアリング?させるためにもある程度の水槽の高さが欲しい。
ヒレをきれいに成長させるためにもオス同士をケース越しに近づけたり、鏡を使ってフレアリング?させよう。(ずっとし続けると疲れてしまうので10分程度で十分)
現地では弱酸性のブラックウォーターで生息しているのでマジックリーフ?で人工的に似た環境を作ってあげると病気の予防やヒレの保護に良い。水換え時にひとつまみの塩を加えてあげることでもビレの保護になる。
その強い適応範囲とこなれた水が良いことから、水換えを極力しないといった飼育法もある。しかしそれでは管理が難しく、水カビ病?の発生にもつながるので、フィルターがある場合は週に一度、ない場合は3日に一度、半分程度の水換えをしたほうがいい。
飼育者の声
■「どんな環境(水槽)で飼ったか。どんな魚と混泳できたか。こんな面白い発見があった。」など実際に飼育してみて気がついたことを投稿してください。上記データとの相違点がありましたら指摘して下さい。
*1 単純な式で求めているので、必ずしも適正でない場合もあります。55リットル/最大体長(cm)×3(冷凍飼料など水を汚す魚の場合×2。テリトリーが必要な魚や肉食魚は×1)の式に当てはめて計算しています