- バックアップ一覧
- 差分 を表示
- 現在との差分 を表示
- ソース を表示
- ブラインドケーブ・カラシン へ行く。
- 1 (2020-05-25 (月) 18:33:01)
- 2 (2020-05-25 (月) 18:57:14)
- 3 (2024-10-04 (金) 20:33:43)
現在位置 : トップページ > 生体図鑑 > 熱帯魚図鑑 > 淡水魚図鑑 > ブラインドケーブ・カラシン
ブラインドケーブ・カラシン
南米、メキシコなどの洞窟に生息するカラシンの仲間。
色彩はほとんどなく、全体にピンクがかっていてアルビノに近い印象を受ける。
体型はカラシンらしくバランスの取れた体型をしており、遊泳力も高い。
本種の特徴はなんと言っても目だろう。日の届かない洞窟に生息するため、目に当たる部分は鱗で完全に塞がれており、目が見えない。
最近の研究では洞窟という限られた環境に適応するため、あえて目を退化させることでエネルギーの節約や、不要な怪我や病気から守っている。これを退化と呼ぶべきか、進化と呼ぶべきか。
目が見えない代わりに頭全体に味蕾があるため、しっかりと餌を認識し捕食することができる。その証拠に、他の目の見えるカラシンと混泳させても問題なく餌を食べることができる。
また、側線にある水の流れを捉える機関が発達しており、障害物を頭の中でマッピングすることができる。そのため複雑なレイアウトの水槽でも体をぶつけるようなことはない。
以上、目の見えない代わりに様々な特殊能力を備えた生命の神秘を身近に感じることのできる種と言える。
幅広い水質に対応することができ、多くの魚と混泳できるため古くからアクアリウム界で飼育されている。
日本ではブラインドケーブ・カラシンというとメキシコに生息する目の見えない小型カラシンの総称として扱われる。
欧米ではブラインドケーブ・カラシンというとメキシカン・テトラ?(Astyanax mexicanus)のことを指すことが多い。このページで紹介している学名のAstyanax jordaniとは別種であるとされるが、未だ正式に分類はされていない。
この問題は遺伝的に異なる可能性のあるタイプが30例以上見つかっているためで、未だ詳細を把握しきれていないため。
本種のように目の退化した洞窟魚と、その元となった表層魚が現存しており、現在でも進化の過程を調べる貴重な材料として研究が行われている。
現地では水質汚染でレッドリストに掲載されており、現在日本で流通しているものはほとんどが東南アジアブリードのもの。
Photo
データ
学名 | Astyanax jordani(C. L. Hubbs & Innes, 1936) | |
英名 | Blind Cave Tetra, Cave Blind Tetra, Mexican Tetra, Silvery Tetra, Blind Cavefish | |
分類 | カラシン(Characiformes)目、カラシン(Characidae)科、アスティアナックス(Astyanax)属 | |
通称 | ブラインドケープ・テトラ、メクラウオ、メキシカン・テトラ、シルバー・テトラ | |
分布 | アメリカ南部、メキシコ、グアテマラ | |
最大体長 | 10cm | |
寿命 | 8年 | |
餌 | 人工飼料、冷凍飼料、活餌など。原生地では水生昆虫を食べているが、水槽では何でも食べる。ブラインシュリンプが好物。嗅覚が発達しており、目の見える魚と混泳しても問題なく食べることができる。 | |
適性な水質 | 温度 | 20~25℃ |
PH | 6.5~8.0 | |
硬度 | 軟水~中程度の硬水:6~10°d | |
飼育難易度 | やさしい。幅広い水質に対応することができる。丈夫で飼育しやすいタイプ。 | |
繁殖難易度 | 普通 環境を整えることができれば比較的容易。十分に成熟したオストメスのペアを作れば簡単に産卵させることができる。卵が産まれたら捕食されないように卵のみを隔離する。底がメッシュ状の産卵床にすれば捕食が避けられる。約1000もの卵を産み付ける。卵は24時間で孵化し、5~7日程度でヨークサックを消費して泳ぐようになる。 稚魚はごく小さいため、はじめはインフゾリアを用意する必要がある。1週間も経てばブラインシュリンプへ切り替えることができる。稚魚は目があるように見えるが、成長すると大人と同じ用に鱗で覆われる。 | |
オスメスの見分け方 | オス | - |
メス | オスに比べて腹がふっくらとしている。特に産卵前には腹が膨れる。 | |
水槽内で好む高さ | 中層 | |
混泳での注意点 | 気性:大人しい 臆病なところがあるので5匹程度のまとまった数で導入するとよい | |
気をつけたい病気 | - | |
推奨されるアクセサリなど | - | |
避けたほうがよいもの | - | |
60cm水槽での適正な飼育数*1 | 15匹 |
特徴・飼育上の注意
幅広い水質に対応することができ、混泳も問題ない。
一般的な熱帯魚を飼育できる環境なら問題なく飼育することができる。
様々な特殊能力を備えており、目が見えないことによる特別な配慮は必要ない。
丈夫で養殖も簡単なこともあり、安価で流通しており、扱いが雑な事が多い。購入時はヒレが掛けていないか、やせ細っていないか確認してから購入したい。
飼育者の声
■「どんな環境(水槽)で飼ったか。どんな魚と混泳できたか。こんな面白い発見があった。」など実際に飼育してみて気がついたことを投稿してください。上記データとの相違点がありましたら指摘して下さい。
*1 単純な式で求めているので、必ずしも適正でない場合もあります。55リットル/最大体長(cm)×3(冷凍飼料など水を汚す魚の場合×2。テリトリーが必要な魚や肉食魚は×1)の式に当てはめて計算しています
3匹購入して飼育していますが・・・おとなしくはないです。激しいです。常にビュンビュン泳いでいます。
そして、大食漢です。なんでも食います。他の魚のひれ、アヌビアスなどのかたい水草でも、全然かじります。想定以上で困りものです。(名無しさん 2024-10-04 (金) 20:33:42)