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ホワイトグローブシュリンプ
インドネシアのスラウェシ島にあるマタノ湖の固有種。
スラウェシ島?は環太平洋造山帯とアルプス・ヒマラヤ造山帯の合流点にあたり、島にある湖は数百万年前に海だった場所が分断されて作られた。主な湖にマタノ湖、マハロナ湖、トウティ湖、ロントア湖、マサピ湖がある。これらの湖は水路によって相互に接続されている。
そのため他の地域から分断されることで独自の進化を遂げた固有種が少なくない。長い年月を掛けて雨水により淡水化した湖は石灰質が多くpHが8.5~9.5という弱アルカリ性で硬度が高い。貧栄養で透明度が高く、酸素供給は日光とシアノバクテリアによってもたらされる。マタノ湖?の最深部は590mもあり、アジアで最も水深が深い湖。光の届かない深部では無酸素で鉄イオンが豊富。以上のように特殊な水質の湖が多いため、スラウェシ島固有の種を飼育する場合は専用の環境を整える必要がある。
チェリーのような深いレッドにシアンブルーのスポットが無数に入る。前足が白く、せわしなくエサをつまんで口に運ぶ動作がよく見える。
最大でも2.5cmと小型で、白く長いひげを持っている。
スラウェシ島の湖に生息するエビの中では比較的水質の変化には強いと言われているが、それでもソイルを用いた水草水槽は向いていない。弱アルカリ性である程度硬度の高い水で飼育する必要がある。
そのためタンガニーカ湖の生体を飼育するときのような環境を整える必要がある。具体的にはサンゴ砂を用いたり、弱アルカリ性でも育てることが可能な水草と組み合わせる。
純淡水のエビなのでうまく飼育すれば水槽内でも増やすことが可能。
Photo
データ
学名 | Caridina dennerli (Von Rintelen & Cai, 2009) | |
英名 | Cardinal Shrimp | |
分類 | エビ(Decapoda)目、ヌマエビ(Atyidae)科、ヒメヌマエビ(Caridina)属 | |
通称 | (いわゆる別名) | |
分布 | インドネシア、スラウェシ島、マタノ湖 | |
最大体長 | 2.5cm | |
寿命 | - | |
餌 | 人工飼料、冷凍飼料、活餌など。現地では岩場に沈んだデトリタスを食べている。水槽ではエビ用のフードで構わないが、細かく砕いたスピルリナやクロレラ、ほうれん草などを組み合わせる。 | |
適性な水質 | 温度 | 22~28℃ |
PH | 8.5~9.5 | |
硬度 | 軟水:5~7°d | |
飼育難易度 | 難しい 水質の管理を適切に行える上級者向け。 | |
繁殖難易度 | 普通 一般的な飼育方法で問題なく繁殖が可能。他のエビに比べて卵は大きく、1度に30個程度抱卵するとのこと。増やしたい場合はエビだけで単独飼育推奨。またはモスなどの隠れ家が必要。 | |
オスメスの見分け方 | オス | - |
メス | - | |
水槽内で好む高さ | 低層 | |
混泳での注意点 | 気性:大人しい:自ら攻撃することがないタイプ | |
気をつけたい病気 | - | |
推奨されるアクセサリなど | サンゴ砂や岩組レイアウトなどのアルカリ性に傾けるもの | |
避けたほうがよいもの | 酸性に傾けるソイル | |
60cm水槽での適正な飼育数*1 | 44匹 |
特徴・飼育上の注意
水質の変化に弱く水合わせを慎重にする必要がある。一度に大量に水換えをするのは避けたほうが良い。
弱アルカリ性で硬度の高い環境を好むなど適切な水質管理が求められる。
弱アルカリ性に傾けるにはサンゴ砂や、酸処理していない大磯、石灰質の岩を用いた岩組レイアウトが向いている。
生息地ではデトリタスが豊富な岩場に生息しているため、餌の匂いを嗅いで群がるというタイプではない。そのため細かく砕いたエサを底床に撒く。
飼育者の声
■「どんな環境(水槽)で飼ったか。どんな魚と混泳できたか。こんな面白い発見があった。」など実際に飼育してみて気がついたことを投稿してください。上記データとの相違点がありましたら指摘して下さい。
*1 単純な式で求めているので、必ずしも適正でない場合もあります。55リットル/最大体長(cm)×3(冷凍飼料など水を汚す魚の場合×2。テリトリーが必要な魚や肉食魚は×1)の式に当てはめて計算しています