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エロモナス病(えろもなすびょう)  

エロモナス病は正式名称は「運動性エロモナス敗血症(motile aeromonad disease)」という。

グラム陰性菌であるエロモナス・ハイドルフィア(Aeromonas hydrophila)、エロモナス・サルモニシダ(Aeromonas salmonicida)への感染によって引き起こされる症状を指す。1本の鞭毛で運動することから運動性エロモナス敗血症と呼ばれる。


原因  

エロモナス・ハイドルフィアは5~40℃、pHは6~11、塩分濃度は0~4%で生存が可能な環境耐性の高い菌。世界中のあらゆる淡水環境に生息している。
一般的な水槽にも常在しており、健康な魚であれば症状が表れることはまれ。水質の悪化や老化など抵抗力の低下した状態だと様々な症状が表れる。

症状  

この最近に感染するとタンパク質の分解、脂質の分解、溶血毒素、腸管毒素による症状が表れる。
具体的には鰭赤病、赤斑病、立鱗病が挙げられる。

鰭赤病  

鰭赤病はエラや肛門に出血が由来の赤みがさす病気。

赤斑病  

赤斑病は鰭赤病と同じように出血が由来の赤い班が体の各部に表れる病気。症状が進行すると眼球突出、腹部の膨満が見られる。更に症状が進むと皮膚や鱗が剥がれ死に至る。

立鱗病  

別名マツカサ病?とも呼ばれる。ウロコを包む鱗嚢(りんのう)に水が貯まり、鱗が松ぼっくりのように立ち上がる。症状が現れた時点で重症であることが多い。
症状が進行すると眼球突出、腹部の膨満が見られる。

治療方法  

エロモナス症は通常では発症しない病気で、初期の症状であっても何らかの原因で魚の抵抗力が落ちていることが考えれる。
健康な魚であれば混泳させていたとしても感染することはないが、水カビや他の病気が蔓延する可能性があるため症状が現れた個体は隔離する。念のため健康な魚の泳ぐ水槽の水も多めに冠水することが望ましい。

隔離した魚には0.5%食塩水と抗菌剤による治療が効果的。
25℃程度に水温をあげると治療に良いとの記述が散見されるが、エロモナス・ハイドルフィアは40度まで耐性があるため効果はない。しかし薬浴の効果を高めるために薬と併用して水温を上げるのは効果がある。


関連項目  

白点病水カビ病?


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