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&font(87%){現在位置 : [[トップページ]] > [[アクアリウム辞典・用語集]] > アンモニア }; *アンモニア(あんもにあ) [#f476d659] 水槽の中では魚やプランクトン、水草などから有機化合物が生成されます。その有機化合物を分解する上で、最初に生成されるのがアンモニアです。 ---- **アンモニアによる生体への影響 [#x8c8e809] ***総アンモニア濃度 [#fba86690] アンモニアは魚の呼吸器官への影響が出て、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値の低下が起こります。 一般的に水質の悪化に強いとされるフナでも総アンモニア濃度が40mg/Lを超えると致死量(即死)になります。 |>|~一般的な河川における総アンモニア濃度| |LEFT:|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|c |~河川の上流水・湧水|0.05mg/L| |~雨水|0.10mg/L~0.40mg/L| |~河川の下流水|0.40mg/L~5.00mg/L| |~下水|5.00mg/L| ***遊離アンモニア濃度 [#o7c65fb7] イオン化していない遊離アンモニア(NH3)は毒性が高いため限りなく0の状態が望ましい。試薬等では未検出の状態が好ましい。 0.1mg/Lで鰓肥大症や呼吸器官へのストレス、寄生虫や病原体への抵抗力の低下が起こる。鮭などアンモニアに敏感なタイプは0.2mg/Lで致死量になることがある。 ***mg/Lとppmについて補足 [#f57548c1] ppm(ぱーつぱーみりおん)は100万分のいくつかという値なので、mg/L(みりぐらむぱーりっとる)と同じ値になる。例を出せば「30ppm」は「30mg/L」と同じ濃度。 どちらも1000Lの水に30gの物質を溶かした状態を表します。 ---- **総アンモニア量と遊離アンモニア、アンモニウムイオンの関係 [#nbfa2796] 簡易的なアンモニアの検出はインドフェノール青法などで測定します。この測定方法で測れるのは総アンモニア量です。総アンモニア量とは遊離アンモニア(NH3)とアンモニウムイオン(NH4+)の合計です。 遊離アンモニアの毒性は非常に高く少量でも致死量になります。反面アンモニウムイオンは遊離アンモニアに比べると毒性は高くありません。 そのため生体への影響を調べるには少量でも有害な「遊離アンモニア量」を特定することが重要。 後述の方法を使えば「総アンモニア量」と「ph」「水温」が測定できれば、およその「遊離アンモニア量」を測定することができます。 ---- **USEPAによる遊離アンモニア濃度の一覧 [#m14f0faa] USEPAによって1987年に発表された総アンモニア濃度からphと水温を用いて遊離アンモニア濃度を求める一覧表。 横軸がpH、縦軸が水温、値は%になります。 アンモニアが水に溶けた状態のアンモニウムイオン(NH4+)は水温の上昇とpHの上昇によってアンモニア(NH3)の状態に変化します。 この表で注目していただきたいのがpHの上昇が加速度的にアンモニア濃度を高めているという点です。 pHが6.0で水温が25℃の場合0.057%だった割合が、pHが7.0になると10倍の0.57%へ、pHが8.0になると約100倍5.4%になっていることです。 つまり同じ総アンモニア濃度でも、pHの状態によって毒性の高い遊離アンモニア濃度の割合が大きく異なるということです。 |>||>|>|>|>|>|>|>|>|~pH| |~|~|~6|~6.5|~7|~7.5|~8|~8.5|~9|~9.5|~10| |||LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|c |~水温|~5|0.013|0.04|0.12|0.39|1.2|3.8|11|28|56| |~|~10|0.019|0.059|0.19|0.59|1.8|5.6|16|37|65| |~|~15|0.027|0.087|0.27|0.86|2.7|8|21|46|73| |~|~20|0.04|0.13|0.4|1.2|3.8|11|28|56|80| |~|~25|0.057|0.18|0.57|1.8|5.4|15|36|64|85| |~|~30|0.08|0.25|0.8|2.5|7.5|20|45|72|89| ***上記の表に当てはめた例 [#h7dd37c4] 例)総アンモニウム濃度が30mg/L(もしくはppm)、pHが7.0、水温が25℃の場合 pHが7.0で水温が25℃の場合は「0.57%」。総アンモニウム濃度30mg/Lの0.57%なので0.17、つまり遊離アンモニア濃度は約0.17mg/Lとなる。 参考サイト:[[US Environmental Protection Agency>http://www.epa.gov/]] ---- **遊離アンモニア濃度を求める式 [#ncc71f0b] 以下の式で近似値を求めることができます。 総アンモニウム濃度はmg/L、pHはそのまま、水温は℃で入力。 ''総アンモニウム濃度''/(1+(10^(0.0902-''pH''+2730/(273.2+''水温'')))) ***上記の式に当てはめた例 [#n1407265] 例)総アンモニウム濃度が30mg/L(もしくはppm)、pHが7.0、水温が25℃の場合 30/(1+(10^(0.0902-7+2730/(273.2+25))))=0.16964025374…となる。 つまり上記の例だと遊離アンモニア濃度は約0.17mg/Lとなる。 参考サイト:[[Ammonia Calculator>http://www.petgoldfish.net/ammonia-calculator.html]] ---- **関連項目 [#vdb03349] [[亜硝酸]]、[[硝酸塩]] ---- **外部リンク [#kaf2fbc9] [[US Environmental Protection Agency>http://www.epa.gov/]] [[Ammonia Calculator>http://www.petgoldfish.net/ammonia-calculator.html]]
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&font(87%){現在位置 : [[トップページ]] > [[アクアリウム辞典・用語集]] > アンモニア }; *アンモニア(あんもにあ) [#f476d659] 水槽の中では魚やプランクトン、水草などから有機化合物が生成されます。その有機化合物を分解する上で、最初に生成されるのがアンモニアです。 ---- **アンモニアによる生体への影響 [#x8c8e809] ***総アンモニア濃度 [#fba86690] アンモニアは魚の呼吸器官への影響が出て、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値の低下が起こります。 一般的に水質の悪化に強いとされるフナでも総アンモニア濃度が40mg/Lを超えると致死量(即死)になります。 |>|~一般的な河川における総アンモニア濃度| |LEFT:|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|c |~河川の上流水・湧水|0.05mg/L| |~雨水|0.10mg/L~0.40mg/L| |~河川の下流水|0.40mg/L~5.00mg/L| |~下水|5.00mg/L| ***遊離アンモニア濃度 [#o7c65fb7] イオン化していない遊離アンモニア(NH3)は毒性が高いため限りなく0の状態が望ましい。試薬等では未検出の状態が好ましい。 0.1mg/Lで鰓肥大症や呼吸器官へのストレス、寄生虫や病原体への抵抗力の低下が起こる。鮭などアンモニアに敏感なタイプは0.2mg/Lで致死量になることがある。 ***mg/Lとppmについて補足 [#f57548c1] ppm(ぱーつぱーみりおん)は100万分のいくつかという値なので、mg/L(みりぐらむぱーりっとる)と同じ値になる。例を出せば「30ppm」は「30mg/L」と同じ濃度。 どちらも1000Lの水に30gの物質を溶かした状態を表します。 ---- **総アンモニア量と遊離アンモニア、アンモニウムイオンの関係 [#nbfa2796] 簡易的なアンモニアの検出はインドフェノール青法などで測定します。この測定方法で測れるのは総アンモニア量です。総アンモニア量とは遊離アンモニア(NH3)とアンモニウムイオン(NH4+)の合計です。 遊離アンモニアの毒性は非常に高く少量でも致死量になります。反面アンモニウムイオンは遊離アンモニアに比べると毒性は高くありません。 そのため生体への影響を調べるには少量でも有害な「遊離アンモニア量」を特定することが重要。 後述の方法を使えば「総アンモニア量」と「ph」「水温」が測定できれば、およその「遊離アンモニア量」を測定することができます。 ---- **USEPAによる遊離アンモニア濃度の一覧 [#m14f0faa] USEPAによって1987年に発表された総アンモニア濃度からphと水温を用いて遊離アンモニア濃度を求める一覧表。 横軸がpH、縦軸が水温、値は%になります。 アンモニアが水に溶けた状態のアンモニウムイオン(NH4+)は水温の上昇とpHの上昇によってアンモニア(NH3)の状態に変化します。 この表で注目していただきたいのがpHの上昇が加速度的にアンモニア濃度を高めているという点です。 pHが6.0で水温が25℃の場合0.057%だった割合が、pHが7.0になると10倍の0.57%へ、pHが8.0になると約100倍5.4%になっていることです。 つまり同じ総アンモニア濃度でも、pHの状態によって毒性の高い遊離アンモニア濃度の割合が大きく異なるということです。 |>||>|>|>|>|>|>|>|>|~pH| |~|~|~6|~6.5|~7|~7.5|~8|~8.5|~9|~9.5|~10| |||LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|LEFT:BGCOLOR(#FFFFFF):|c |~水温|~5|0.013|0.04|0.12|0.39|1.2|3.8|11|28|56| |~|~10|0.019|0.059|0.19|0.59|1.8|5.6|16|37|65| |~|~15|0.027|0.087|0.27|0.86|2.7|8|21|46|73| |~|~20|0.04|0.13|0.4|1.2|3.8|11|28|56|80| |~|~25|0.057|0.18|0.57|1.8|5.4|15|36|64|85| |~|~30|0.08|0.25|0.8|2.5|7.5|20|45|72|89| ***上記の表に当てはめた例 [#h7dd37c4] 例)総アンモニウム濃度が30mg/L(もしくはppm)、pHが7.0、水温が25℃の場合 pHが7.0で水温が25℃の場合は「0.57%」。総アンモニウム濃度30mg/Lの0.57%なので0.17、つまり遊離アンモニア濃度は約0.17mg/Lとなる。 参考サイト:[[US Environmental Protection Agency>http://www.epa.gov/]] ---- **遊離アンモニア濃度を求める式 [#ncc71f0b] 以下の式で近似値を求めることができます。 総アンモニウム濃度はmg/L、pHはそのまま、水温は℃で入力。 ''総アンモニウム濃度''/(1+(10^(0.0902-''pH''+2730/(273.2+''水温'')))) ***上記の式に当てはめた例 [#n1407265] 例)総アンモニウム濃度が30mg/L(もしくはppm)、pHが7.0、水温が25℃の場合 30/(1+(10^(0.0902-7+2730/(273.2+25))))=0.16964025374…となる。 つまり上記の例だと遊離アンモニア濃度は約0.17mg/Lとなる。 参考サイト:[[Ammonia Calculator>http://www.petgoldfish.net/ammonia-calculator.html]] ---- **関連項目 [#vdb03349] [[亜硝酸]]、[[硝酸塩]] ---- **外部リンク [#kaf2fbc9] [[US Environmental Protection Agency>http://www.epa.gov/]] [[Ammonia Calculator>http://www.petgoldfish.net/ammonia-calculator.html]]
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