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イカリムシ症(いかりむししょう)  

寄生性橈脚類「イカリムシ」に寄生されることで発症する症状。魚にイカリのような頭部を突き刺すことで寄生することからイカリムシと名付けられた。

原因  

イカリムシに寄生されて起こる。外部から持ち込まれることが多い。

症状  

長さ1cm程度の白い棒状のイカリムシがウロコに潜りこむように寄生する。
寄生するのはメスのみ。仔虫はミジンコによく似た形をしており、この頃の虫に有機リン系殺虫剤であるトリクロルホンが有効。

治療方法  

数が少ない場合は直接ピンセットで引き抜く。

数が多い場合は有機リン系殺虫剤であるトリクロルホンを使って薬浴する。
親虫に対しては効果はないが、水中に浮遊している仔虫に対して有効。そのため、既に寄生している親虫の寿命が尽きるまで薬浴を続ける必要がある。イカリムシの寿命は25℃の環境で約1カ月。低温では寿命が伸びるため水温を上げるのが効果的。

週に1度程度水換えを行い、その度トリクロルホンを補充する。

魚にとって害は少ないものの有毒であることにはかわりないため、少ない量から段階的に濃度を上げて調整する。
なかなか駆除できないからといってメチレンブルーのように直接塗布することはできないので注意が必要。

殺虫剤であるため、エビやカニ、貝類には猛毒で致命傷になる。そのため罹患した個体は隔離して薬剤を使用する必要がある。

市販の治療薬にはマゾテン液-20%、リフィッシュ、トロピカル-N、トロピカルゴールド等がある。