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カジカ
日本の固有種。流れが早く、水質が良好な渓流に生息する。
渓流の中でも大きな岩の影などに身を潜めていることが多い。
体色は淡褐色から暗褐色で個体差が大きい。体表には鱗がない。
カサゴに似た骨ばったヒレをしており、水平に広げて水流を利用して底に張り付く。
成熟するに連れて顔や体に幅が出てぼってりとした体型になる。
大卵型、中卵型、小卵型とそれぞれ生態の異なるタイプが確認されている。胸ビレの条数の数で判断が可能。
大卵型は河川陸封型?で淡水の上流域で一生を過ごす。他のタイプは両側回遊型?で稚魚の頃は海で生育し、十分成長すると川を遡上。中流域に生息する。
生物学上、別種として扱うかは学者の改名が待たれる。
スレに弱いく、傷がつくと粘膜を出す。
そうなると水カビ病にもかかりやすいので運搬の際には注意が必要。
冷水性で、自然下では22℃以上の側には生息できない。
水槽で飼育する場合もクーラーが必要。
環境の悪化により生息域が減っており、環境省レッドリスト(2013)「準絶滅危惧種」に登録された。
Photo
データ
学名 | Cottus pollux (Günther, 1873) | |
英名 | Japanese fluvial sculpin | |
分類 | カサゴ(Scorpaeniformes)目、カジカ(Cottidae)科、カジカ(Cottus)属 | |
通称 | 鰍、杜父魚、鮖、ゴリ、ドンコ | |
分布 | 北海道南部以南の日本各地 | |
最大体長 | 12~15cm | |
寿命 | 4年 | |
餌 | 活餌など。自然下では水生昆虫、小魚、底生生物を食べている。人工飼料に慣れさせるのは困難。特に動かないものに興味を示さない。生き餌のミナミヌマエビ、スジエビ、赤虫などを与える。餌食いが悪く、痩せないように維持するのが困難。 | |
適性な水質 | 温度 | 15~22℃ |
PH6.5~7.0 |
硬度 | 軟水 | |
飼育難易度 | 難しい 夏場の高水温にはクーラーが必要。餌食いが悪く、人工飼料に餌付かない。 | |
繁殖難易度 | 普通~難しい 自然下では1月中旬から6月中旬に産卵する。 複数匹で飼育し、腹の膨らんだメスと、婚姻色で体が黒くなったオスをペアにする。オスは浅瀬の岩の陰をテリトリーにしてメスを誘い込む。 水流が産卵のトリガーになっているようで、岩組と砂のレイアウトに強めの水流の水槽が最適。卵は粘着質で、石にくっつけるように産む。卵はオスが守る。 小卵型で2cm、大卵型で3.5cmほどの卵を産む。小卵型の稚魚はそのまま海まで流される。そのため汽水水槽を用意する必要がある。大卵型はそのまま淡水で飼育することができる。 メスは2年、オスは3年で成熟する。 | |
オスメスの見分け方 | オス | 大型になり、婚姻色で黒くなる。 |
メス | 繁殖期には腹が膨らむ。 | |
水槽内で好む高さ | - | |
混泳での注意点 | 気性:大人しい 大人しい:自ら攻撃することがないタイプ 攻撃的になることがある:繁殖期や同種間など限られた条件で攻撃的になることがある 強い攻撃性あり:強いテリトリーを持ち入ってくるものを常に排除する 攻撃がテリトリーに関するものなのか、食性(魚食性、スネールイーターなど)に関するものなのか、繁殖期によるものなのか、同種間でのフィンスプレッティングか、性質(ヒレを齧る、毒のある棘で差すなど)によるものなのかを併記する。 | |
気をつけたい病気 | 水カビ病 | |
推奨されるアクセサリなど | 平たい石組みのレイアウト、細かい砂上の底床、水流を生み出すポンプ、クーラー、エアレーション | |
避けたほうがよいもの | アルカリ性に傾けるもの | |
60cm水槽での適正な飼育数*1 | 5匹 |
特徴・飼育上の注意
水質の悪化に特に弱い種。
中性付近の綺麗な水で、残存酸素量の多い、水流のある環境を作る必要がある。
高温にも弱く22℃以上だと調子を崩す。そのため夏場はクーラーが必須。
鱗がなく傷がつきやすく、怪我をしたり弱ってくると白い粘膜を出す。
動かないものに興味を示さないため、生き餌が基本。
生き餌も餌食いが良いとはいえず、痩せて衰弱しやすい。
以上のように水質を適切に管理し、生き餌を用意するなど、手間暇をかけることのできる上級者向け。
飼育者の声
■「どんな環境(水槽)で飼ったか。どんな魚と混泳できたか。こんな面白い発見があった。」など実際に飼育してみて気がついたことを投稿してください。上記データとの相違点がありましたら指摘して下さい。
*1 単純な式で求めているので、必ずしも適正でない場合もあります。55リットル/最大体長(cm)×3(冷凍飼料など水を汚す魚の場合×2。テリトリーが必要な魚や肉食魚は×1)の式に当てはめて計算しています