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絶滅危惧種(ぜつめつきぐしゅ)
レッドリスト?もしくはレッドデータブック?に記載された絶滅の恐れがある種。
レッドリストやレッドデータブックは国際的な自然保護団体である国際自然保護連合(IUCN)が作成している。絶滅の恐れがある種に関する情報をまとめたもの。
レッドリストは絶滅危惧種のリスト、レッドデータブックは生態に関する詳細も記載されたデータです。
また環境省が制定した日本独自のレッドリスト、各自治体が制定したレッドリストなど、地域によって様々なレッドリストが存在します。
レッドリストのカテゴリー
レッドリストは以下のカテゴリーに分けられて絶滅の危険度を把握しています。
Evaluated - 評価
Adequated data - 適当なデータあり
Extinct (EX) - 絶滅
Extinct in the Wild (EW) - 野生絶滅
Threatened - 絶滅危惧種
Critically Endangered (CR) - 絶滅危惧IA類
Endangered (EN) - 絶滅危惧IB類
Vulnerable (VU) - 絶滅危惧II類
Near Threatened (NT) - 準絶滅危惧
Least Concern (LC) - 軽度懸念
Data Deficient (DD) - 情報不足
Not Evaluated (NE) - 未評価
罰則
レッドリストに記載された絶滅危惧種の一部は「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(いわゆるワシントン条約)」で罰則付きで守られている。
日本もワシントン条約に批准しており1992年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」を制定しています。
レッドリストに記載され、さらに種の保存法で絶滅のおそれのある野生動植物に記載されると罰則が発生します。
水草に関する情報
日本では水草の40%は絶滅危惧種。230種の水草が自生しており、90種が絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されています。
絶滅危惧種が増えた原因に、河川の護岸整備が挙げられます。洪水の予防や農地へ水を送る目的で護岸工事が行われコンクリで整備されることで水草の生息域が減ることで絶滅の危機に貧しています。
しかし日本では稲による水田が盛んなことがあり、水田、その用水路などに多くの水草が生き残りました。しかし稲の育成を阻害する水田雑草を駆除するために撒かれた農薬で今度は駆除対象の雑草が絶滅危惧種に指定されています。
また向上や生活排水による水質の悪化も水草の絶滅に拍車をかけています。
護岸工事や雑草の除去は生活の向上に直結する問題のため、安易な解決策は見つかりません。しかし手をこまねいていれば確実に水草は絶滅し、取り返しの付かない状況になりかねません。
こうした難問にも負けず、人間の生活を脅かすこと無く共存・共栄するために多くのNGOや研究者の方がさまざまな取組をしています。
興味のある方はそうしたNGO等の活動にぜひ参加してください。
汽水・淡水魚類に関する情報
情報不足として仮に登録すされているものも含めると現在230種が登録されています。
魚に関しても護岸工事など人間の生活の質を向上させるために生息域を追われ、多くの種が絶滅の危機に瀕しています。
乱獲が原因で絶滅危惧種に登録される場合もあります。うなぎに代表されるように食用にされたり、鯨やサイのように工業的な理由で乱獲されます。
アクアリウム業界でも映画ファインディング・ニモで有名になったカクレクマノミが乱獲されて急激に数を減らすという痛ましい現実もあります。他にもサンゴやライブロックの乱獲も問題になっています。
それだけでなく、ブルーギルやカダヤシなどの人為的に持ち込んだ外来種が在来種を駆逐する等の問題も深刻です。
アクアリストとして耳が痛いことに多摩川でアリゲーターガーなどの大型熱帯魚が発見され問題になっています。一部地域において生活排水や工場排水によって冬場でも温度が下がらず越冬してしまうケースが確認されています。
こうした状況を揶揄してタマゾン(多摩川とアマゾンを組み合わせた造語)と呼ばれることもあります。
改善に向けて専門家による集中的な駆除や、電気を使って気絶させる方法、釣り人にリリースしないようにしてもらう方法と、さまざまな対策を講じていますが、なかなか効果のある駆除はできていないというのが現状です。
愛情を持って飼育した魚を飼えなくなった場合、池や川に放流して「生き延びて貰いたい」「どうしても自分の手で殺すことができない」という気持ちは痛いほどわかります。
しかし放流した個体が原因で、なんの罪もない池や川に住む他の生物を絶滅に追いやること。
また、放流された個体やその子孫が、電気ショックなど無用な苦しみを加えられて駆除されることに思いを馳せてください。
以下の様な対策があります。
- 1.同じ趣味を持つ愛好家に譲る。
- 2.購入したショップに買い取ってもらう。
- 3.地域のボランティアの方によって運営されている「おさかなポスト」などを利用する。引取りに際して費用がかかることがあります。
以上の対策をとっても貰い手が見つからない場合は残念ですが自分の手で殺処分してください。
他にも水換えやレイアウトの変更などを行う際に、卵や稚魚が紛れ込む可能性がある場合、フィルターで漉したり、燃えるゴミとして処分する対策も重要です。
もう一度言いますが、放流という行為がもたらす重大な結果に思いを馳せてください。
生き物を飼う者として、良い環境で大切に飼育することと同様に、こうした責任を負うということを理解する必要があります。